国内取引の場合と同様に、国際取引においても、また物品売買契約に限らず、一般に、「契約(contract)とは二人以上の当事者間(between competent parties)において締結され、法によって強制可能な(enforceable at law)合意(agreement)である」と言うことができる。合意の成立要件は、一方の当事者(申込者)による契約を締結したいという意思表示(申込)と、これに対する相手方当事者(被申込者)による申込を承諾する旨の意思表示の合致である。申込と承諾の要件、合意の有効性、当事者の能力および強制可能性等に関する問題を併せて検討しなければならないが、これらは一応充足されていることを前提として、ここでは、主として、若干の現行法規における基本的な考え方に基づいて、申込と承諾の効力発生の時期について検討する。